眠れない物語のペイジ

私立恵比寿中学の諸々を徒然なるままにつづるブログ

日記

昨日、なんとなく寝られなくてテレビをいじっていたら、たまたま「ブンメイ先生~村で1人の獣医~」というドラマに出会った。2時頃だったかな。髙橋佑真主演、安斉ハルの脚本ということで深い時間でも制作に随分気合いが入っているなという感じが伝わる。それだけあって案の定面白く、Theハル脚本という感じで気づいたらグイグイと見てしまった。

 

さて、なんでこんな話を始めたかと言えば、ドラマの舞台となっていた東和韮の街が僕のいわゆる「ゆかりの地」だからである。母方の祖父の実家があった場所で、東京から電車で1時間くらい。そう遠くなかったし、小さい頃からなにかと通っていた。

 

東和韮は名所とか誇れるものがこれといってない。地名に「韮」が入っているくせになぜかノビルが名産で、唐津藤吉というよくわからない彫刻家の歴史館がひっそりと建っているくらい。まぁ上白本線という濁った色の電車が40分に1本通るくらいのド田舎なので仕方はないとは思うけど。

 

そんな東和韮の街に僕が何故好きこのんで通っていたかというと、それは駅前にある「風来堂」のカステラが好きだったからだ。ドラマでも谷セイラ演じる果音が美味しそうに食べていた。このカステラは甘さと生地のフワフワ加減が本当に絶妙で「とびっきりグルメっ!」で紹介された次の日には500食近くも売れたらしい。テレビはすごい。でもお店だってもうたぶん40年近くになる。

 

そんなカステラが僕以上に好きだったのは、僕の祖父だ。僕が遊びに来ると分かったらいつも買ってきて用意して待っていてくれた。僕もそれを求めていた節はあるけど、6切れあるうち4切れが祖父、2切れが僕のぶんになるのがお決まりで、きっと祖父も僕を自分がカステラを食べるための口実に使っていた。でもいつからか少しずつ僕が4切れ、5切れとなって、遂に買ってくることがなくなった。祖父は糖尿になったから。

 

母に注意されてたのに二人でこっそり買いに行って、見つかって怒られて食べられなかったこともあった。お店のおじさんが砂糖抜きのやつを特別に作ってくれたけど全然美味しくなくてガッカリしたこともあった。ベッドの上でも何かとカステラ、カステラって言ってたなぁ。おじいちゃん。

 

そんなことをふと思い出した昨日だった。また、東和韮に帰りたいな。