眠れない物語のペイジ

私立恵比寿中学の諸々を徒然なるままにつづるブログ

自意識の話

 

 

僕には自意識がある。両手じゃ抱えきれない。僕には自意識がある。ドキドキするような。

 

いや、誰にだって普通にある。

 

それが特別に「強い」とか「変」とかそんなことはない、と思う。ただ、たまにすごく小さなことで反応してしまう偏った自意識があって、似たようなことって皆さんありますか?と思ったので書いてみたい。自意識オムニバスの話。

 

たとえばカフェ。

 

「ミルクとガムシロップはお1つずつでよろしいですか?」と毎回必ず聞かれる。

「はい。大丈夫です。」と僕は必ず答える。

でも本当は「ガムシロップ 3 ミルク 0」が良い。いや絶対に。絶対にそれが良い。アイスコーヒー好きに怒られるかもしれないけど、ガムシロ3でしか飲めない体になってしまっているんだもの。

でも「なんだよー。いちいちこだわるなよ。めんどくせぇな」とか「こいつめっちゃ甘くするやーん」とかそんなことを店員さんに思われていそうなのが嫌で、恥ずかしくて、「ガムシロ 1 ミルク 1」としか言えたことがない。そして「あと2だなー」と思いながらいつも苦いコーヒーを飲んでいる。

 

 

そんな自意識。

 

 

また、何かを買いに行く時。

 

その店舗に何が売っているのか、営業時間、場所、めちゃめちゃ入念に調べないと気が済まない。だから大抵の場合、自分が知らないことはない、何もかも完璧な状態にしてから出かける。しかし「こいつ完璧にしてきたー!」と思われるのが恥ずかしくて、バックヤードで「完璧に調べてきた男」の話をバイト仲間と面白おかしくされる気がして、いつも「あっ今まだ時間大丈夫ですか?」とか「えっと海鮮丼?的なやつを食べたいんですけど、メニューって…」とか、なにかと「フラっと来ましたよ~今初めて向き合ってますよ~アピール」をしてしまう。お目当ての商品に一目散に向かうことが何故か出来なくて、買う気ゼロウィンドウショッピングを5分くらいしちゃう。その感じがバグり過ぎて、一度郵便局で「郵送って出来たりしますか?」と意味のわからない問いをかけたこともあった。そりゃ出来るわ。バックヤードに別の話題を提供しかけている。

 

 

ライブ。

 

本当は楽しい思い出を片っ端から残したい。最寄り駅とか、会場とか、グッズとか、いちいち写真に収めて歩いてまわりたい。けど、大抵は1人で来ているので「あいつ1人なのにはしゃいでるわー」と思われたくなくて、いつも端の端の暗い柱に身を潜めてTwitterしてるフリしながらグッズの写真を撮ったり、「1.2曲しか知らないけどライブにきたライトなファンが無邪気に思い出を作っている微笑ましい光景」を頑張って演じてみたり(それなら撮れる)、または本当に撮りたい!撮りたい!と思いながら結局撮れずに写真ゼロで帰ったりしている。だから、フォルダに写真が少ない。

 

 

M-1

 

先日バイト先で「M-1の動画見た?誰が一番好きだった?」と、ふと聞かれた。まず浮かんだ「真空ジェシカ」は「大学お笑い好きかよ。ミーハー認めないやつだ」と思われそうだから外して、次に浮かんだ「GAG」は「あえてのコント師ね。正統派行かないやつね」と思われそう、「学天即」は「関西知ってますよアピール」、「ラランド」は「ミーハー」、と色々考え過ぎて「ちょっとわからない」と一番意味わからない答え方をしてしまった。

 

 

そんな自意識は、しかし全方位に向いているわけではない。フワちゃんTシャツで大学に通うし、活動休止発表されてから嵐のファンクラブに入ったし、「アオハライド」も「ストロボ・エッジ」も「思い、思われ、ふり、ふられ」も劇場で一人で観た。じゃあ書き連ねたような様々な自意識はどこから発動するのだろう。また、自意識がそのまま他人に向けている意識に繋がるわけではない。つまり他人が「ガムシロ 3」を頼んでいても僕は別に何とも思わない。

 

そんな複雑な自意識を、僕は少しずつ克服していきたい。

 

先日「ダサい!普通に見てないのダサい!ダサい!」と自分に言い聞かして、「鬼滅の刃」を全部見た。これは一人の人間にとっての大きな一歩だった。見終わってみると、普通に面白かったし、なにより周りから聞こえる「鬼滅の刃」の話題に真正面からついていけることが嬉しい。ミーハーは楽しい。絶対にそう思う。

今度は鬼滅の映画を観に行こうと思う。まだ一人では行けそうにないので友達を誘って。少しずつ。少しずつ。