眠れない物語のペイジ

私立恵比寿中学の諸々を徒然なるままにつづるブログ

最終回を終えて

 

まずはじめに、このブログを読み始めたあなた、もしあなたが

 

・神ちゅーんずを普通に面白いと思った

・神ちゅーんずをまだ見ていない

エビ中に関することで悪口を言われたくない

・なるべく平和に暮らしたい

 

 

そんな方でしたら、今すぐにこのブログを閉じてください。今回のブログは、上記のような方にはきっとあまり気持ちの良くない方向に進んでしまうと思います。触らぬ神に祟りなしと言いますので(公開しておいて見るなという矛盾は大変馬鹿馬鹿しいですが)その点、予めご了承ください。

 

 

 

 

 

ここから本題です。

 

 

 

 

 

先日「神ちゅーんず ~鳴らせ!DTM女子~」がようやく最終回を迎え、物語が完結したということで、そそくさとブログを書き始めました。ずっとずっと言いたいことが溜まっていたわけです。

 

というのも、このドラマを僕は終始二つの立場から見ていました。一方は「エビ中ファミリー」として、そしてもう一方は「ドラマ好き」として。

 

エビ中ファミリー」としては、10周年という節目に主演ドラマが放送され、川谷絵音さんという類いまれな才能とのコラボが見られ、毎週必ずエビ中は出るし、エキストラにも参加できたし、LINEのキーワードクイズも楽しかったし、とても満足度の高いコンテンツだったと思います。当然主たる視聴ターゲット層はエビ中ファミリーなわけですし、ファミリーを巻き込んだお祭りといった意味では大成功と言っても決して過言ではない、そう感じました。

 

しかし一方で、媒体がドラマである以上「ドラマ好き」として本作を見たい僕も少なからずいて、その視点から「神ちゅーんず」を見ると、正直もうめちゃめちゃ不満だらけ。なんで?なんでこうなってしまったんだ?と毎週とにかく悶々としていました。

 

きっとどちらか一方の立場に振り切ってしまえば収まる話だったんだと思います。でも、ややこしい、というかわがままなことにエビ中ファミリーとして「エビ中が見られれば良くない?所詮深夜のアイドルドラマなんだから」と妥協することも、ドラマ好きとして「なんだこのドラマ」と早々に切ってしまうことも出来ず、その結果「素晴らしいドラマになってほしい」と思いながらそうなっていかない様子を毎週見ては「うーん」と思うの繰り返し。そのままずるずると最終回を迎えてしまいました。めんどくさ男。

 

なので、もやもやを全部このブログにぶつけます。ますますめんどくさ男。

 

今から羅列するのは「文句」です。ここがこう悪かったんだぞ!という個人的な文句。僕自身エビ中は大好きだし「神ちゅーんず」が素敵なドラマになって欲しかったのは本心なので、なるべく恣意的で独善的にならないようにはしたいのですが、たぶんお前何様だよ的な話をバンバンします。そこら辺はご了承ください。自慰行為のようなブログですね。あと「なら、あなたは書けるんですか?」という意見、それとこれとは全く話が違うので勘弁してください。書けるわけないじゃないですか。これは一視聴者としての意見です。

 

【神ちゅーんずの不満点】

 

1.30分(実質20分)×10話のストーリーじゃない

 

明らかに用意された尺からバンバンにはみ出すストーリーを展開させていて、あと10話で打ちきり決定してる漫画みたいでした。

 

DTMとの出会い→遥仲間入り→テイラー仲間入り→やえ子仲直り→梓仲間入り→ルミ仲間入り→正樹との恋→MV撮ったり→炎上→フェス→失敗→解散→再結成→ゲリラライブ

 

書き出しただけできつきつなのがひしひしと伝わってきますね。「音楽が人と人を繋げる」というテーマを伝えるには結成→挫折→再結成の流れが必要なのはなんとなくわかりますが、途中恋愛要素を入れて迂回もしているし、必ずしもこのルートじゃなくたって表現できた気がします。これだと、せっかくのメッセージも「いや展開早いわ」の印象に負けて全く入ってきませんし、「チープな結末」か「引くほど急な結末」のどちらかに帰結することになってしまい、良いことなしです。前者でいうと「テイラー、炎上したと思ったら逆に人気出たわ」ってやつ、後者は「妄想にかられて現実で他人のギターをぶっ壊して逃げる凜」とか。メンヘラかよってくらい一貫性がなくて起伏が激しい。それに「あれだけ頑なに断っていた神ちゅーんず入りを決めるまでの心の変化がどこにあったのか」「なぜ再びやろうと思ったのか」「なぜ改心したのか」もう全然わからなかった。改心する展開だから改心しました、そんな感じでした。梓が炎上コメント書いた伏線も雑に回収されていって惜しい。時間がなかったんだね!って感じがすごい。で、登場人物の感情を追えなくなると視聴者は当然何に移入して見れば良いのかわからなくなって、そこから「は?なんで?」とずっと思いながら見ることになります。そうなったらもう駄作です。

もっと言えば、(感情の変化が読み取れないのもまぁ割と致命的な欠陥ではあると思いますが)一番アウトなのは物理的な急展開。「さっき改心したはずのにもう新曲の歌詞もフリも完璧に入っとるやん!!いつ入れた!!」ってやつ。それはないわ。うん。それはないぜ。まぁとにかく派手で劇的なストーリーを展開させようとし過ぎて、細かい感情の起伏や設定がおろそかになり過ぎている、そんな印象でした。

 

2.DTM関係なさすぎ

 

DTMドラマ」と銘打っておいて物語にその要素がほとんど絡んでこないのが非常に残念でした。せっかく放送前に少し注目されて話題になったのにね。凜ちゃんいつの間にかDTMの使い方覚えてるわ、いつの間に使いこなしてるわ、そんでいつの間にか曲出来てて、それを「才能があった」で済ませてしまう有り様。これもひとえに「時間がない」の産物だとは思いますが、それならわざわざサブタイトルにまで入れてアピールしなくて良かったんじゃないかなと思います。後半になると正樹との恋愛の比重がどんどん大きくなって…。恋愛を抜きにして音楽に打ち込む話にする勇気があっても良かった気がします。いや、こういうのってたぶんファミリーや出演者目当ての視聴者に対する配慮ですよね。やえちゃんの妄想シーンとかファミリーとしての俺的にはめっちゃ良かったもん。でもDTMドラマとしては完全にノイズ。まぁ難しいところですけど、いかんせん今回はDTMを無視しすぎかなと。最終回、6人で再び集まっていざライブと思ったら、みんなで踊ってるし…。そこは担当パートでいけばええやん…。

あと、全編iPhoneで撮影する試みは本当に全く必要なかったと思います。カメラで撮ったほうが普通にいいし、iPhoneならではのアングルとかもあんまりなかったし、話題になれば話は別だけど、たぶん後半視聴者忘れてたし。

 

3.設定の雑さ

 

ざっと神ちゅーんずの主要人物の紹介をします。

 

凜→めちゃめちゃ音楽の才能があったやつ

遥→学校やラジオDJを操れるくらい金持ちん家の娘

やえ子→まぁ普通。

梓→アメリカ行くくらいのダンスサークルに所属してるやつ

テイラー→海外ブランドからオファーくるくらいのモデル

ルミ→高校生でプロデビュー寸前くらいの音楽の才能あるやつ

 

やえ子が可哀想になるくらい超人集団ですね。こうなりゃ何でもありです。色々端折るための都合の良い設定としか思えないというか、漫画みたい。まぁこの実写版ミスターインクレディブルはまだ許容できるとしても、この設定に忠実に展開していくわけではなく(例えばモデルとしてのテイラーは中盤ガン無視される)、困った時(弁償、PV撮影等)に設定が急に復活する感じ、はい、杜撰です。また、人物設定に限らず細かな設定があまりにもガバガバ。いつ曲作った?モデルとダンス部と生徒会の活動はいつしてんの?ってかテイラーの店客いないの?ルミちゃん凜に甘すぎん?いきなり与えられたはずの部室なんでそんなしっかりしてるの?炎上商法とかじゃなくて普通にテイラーが宣伝すればバズらね?文化祭、その集客ってやばくない?こんなに機材とかがっつり準備してて生徒会ゲリラに気づかないの?セット随分しっかりしてんな!ってかそもそもチラシ配ったらゲリラじゃなくない??などなど。ものすごく細かいところを言うならテイラー初登場のシーン、ファンが群がっているところにマネージャーより先にタレントが歩いていく配慮のなさとか。あれもこれも本筋じゃないところが気になりすぎて全然集中できませんでした。あと、凜の部屋も学校もDTM教室もそうなんですけど、生活感に欠けるというか、とってつけたようなポスターとかベンチが綺麗すぎる。The セット。テイラーの初登場の時も壁に不自然にポスターが二枚だけ貼られてたり、なんかそういうとこ、気になりました。

 

4.演出のチープさ

 

予算が少ないのか、視聴者の汲み取る力を舐めているのか、演出が終始チープでした。「好き」を表現するのにほっぺをほんのりピンクにして周りがキラキラするっていうエフェクトは今日日まじかって感じです。ギャグシーン的なことなのかな。他にも阿佐ヶ谷姉妹渡辺さんのカラオケを模したシーンとかラップバトルの歌詞の表示のされ方とか、「安い」という印象が前面に押し出されてしまっていて残念でした。

 

5.エキストラに関して

 

今回は「ファミリーがエビ中ドラマに協力する」というイベントなので、ある程度許容されるべきではあります。しかし、もう少し場面や回数を制限して良かった気もします。具体的にいえば、明らかに学生ではない人が学校にいたり、違うシーンに何回も同じ人が映っているとか。そんな雑多なこと?って気もしますが、そんなことでもドラマの見易さに関してノイズになってしまうこともあると僕は思います。

 

 

大きいものから非常に些末なことまで、ざっと不満点を挙げてみました。こう改めて列挙すると思ったより少なかった気もします。

 

僕は別に高いクオリティを求めているわけではありません(と思ってます)。それに「所詮よくある深夜のアイドルドラマじゃん。何を期待してるの?」そう言われてしまえばおしまいな話ではあります。ただ、最低限気にならないドラマを作って欲しかった。アイドル作品と言っても「幕が上がる」のような好例もあるので、ひとくくりに「低クオリティでもしょうがないジャンル」としてしまうのもなんか違うかなと、ね。(ドラマと映画を比べる愚者)

ドラマを見る上で本筋に関わるものでも関わらないものでも「なんで?」と思ってしまうものが少しでもあれば(意見が合わないとかではなく道理に合わない、一貫性がない等)、その先どうしても進めない、つまりはそういうことなんだと思います。ちょっとこの「ノイズ」部分が本作には多すぎるように感じました。だから、残念なんです。

 

・全部尺と予算に収まる話じゃないか

・色んな大人の事情とかあるんだよ黙れ

・脚本書けないくせに文句言うな

・何様だ土に埋まれ

 

本当にズケズケすみませんでした。(ここまできて誤解もへったくれもないような気がしますが)誤解のないように言うと、神ちゅーんずの何もかもを否定したいわけとかではないのはもちろん(4話とかは結構好きです)、「エビ中ファミリー」としてはとても楽しめましたし、製作陣の愛も大いに感じています。勝手に期待して勝手に文句を言っているだけなのです。なんて理不尽な話なんだ!!

 

なので、ここら辺で終わります。

 

 

お付き合い頂いた方、ありがとうございました。