眠れない物語のペイジ

私立恵比寿中学の諸々を徒然なるままにつづるブログ

カルトクイズについての日記

 

 

「カルト」と「クイズ」

 

「カルトクイズ」というジャンルの難しさについて考える。

 

カルトクイズは、数多くあるクイズジャンルの中でも特に作問のセンスが問われるものである、と思う。それは「カルト」と「クイズ」の両立が求められるためである。例えばファミリーにむけて「エビ中カルトクイズ」が行われたとして、そこにこんな問題が出題されたとする。

 

 

問題「『あな秋いんざ夕景』に出てくる台詞を全て答えなさい。」

 

 

これはめちゃめちゃ「カルト」に寄ってしまった悪例である。ファミリーの中に『あな秋いんざ夕景』を一度でも文字起こしして、常に正確な形でアウトプット出来る人が何人いるだろうか。確かに誰も知らないような知識を問題にするのが「カルト」の醍醐味であるが、本当に誰も知らないものでは意味がない。その理由は「カルト」でありながら「クイズ」でないといけないからである。

 

 

「クイズ」の前提

 

さて、では「クイズ」とは何かということを考えよう。上記の問題は、なぜ「クイズ」とは言えないのか。そこには大きく2つの関門がある、と私は考える。

 

 

問題「私が最近好きな人はだれ?」

 

 

早速だが、これはクイズだろうか。広く言えばクイズなのかもしれないが、少なくとも良問とは程遠い。理由は、正解への補助が皆無だからである。言い換えれば、解答者がその問題に対して知り得る情報が「人」以外ない、ということだ。解答者は、勘を頼りに70億分の1を当てる無理ゲーをするしかない。ここに、1つ目にして最大の関門がある。

 

クイズとはスバリ「親切」で出来ている。作問者と解答者、この2つの要素がかかせないということを踏まえ、作問者は「解答者が正解できる」という前提のもと問題を作らなければならない。そのために、問題に対して、答えを導くためのヒントを提示しなければいけないのである。これが「クイズ」である。

 

解答者が正解できる、ということにも様々な要素がある。例えば

 

1 答えにたどり着くためのヒントがある

2 ヒントの難易度が偏り過ぎない

3 世代やコミュニティに特有の知識を使わない

4 知識が正確である

5 答えが1つに決まる誘導がある

 

これらを踏まえて「クイズ」は作られなければならない。「あな秋」の問題では2が、「私の好きな人」の問題では1が満たされていないのである。

 

 

さて、これを踏まえて「私が最近好きな人はだれ?」を最低限のクイズにしていく。

 

 

問題「霜降り明星せいやの相方である、私が最近好きな芸人はだれ?」

 

情報は3つである。

霜降り明星というコンビ

せいやの相方

・芸人

 

たったこれだけの情報でも、なんだかクイズっぽいなーという感じがしてくるだろう。そして「私は~」が全く必要ないこともわかるだろう。答えは「粗品」である。しかし、皆様もお気づきのようにこのクイズは全然面白くない。ここに、2つ目の関門がある。

 

「面白い」と感じる「クイズ」とは

 

クイズで問われるのは当然「知識」であるが、その知識には人によって階層のようなものがある。皆知っている知識と知る人ぞ知る知識といったところであろうか。

 

粗品

芸人→霜降り明星→相方はせいやM-1グランプリ2018優勝→R-1ぐらんぷり2019優勝→同志社大学→本名は佐々木直人→実家が焼肉屋「味希」→かつてのコンビ名は「スペード」

 

例えばこんな感じである。粗品を知っていれば90%以上の人が芸人だとわかるだろうが、高校時代のコンビ名や本名を知る人は少ない。こうした階層から適切な知識を選び、遠い方から順に並べていく作業。それが、クイズを面白いものにするポイントであり、醍醐味であると考える。それを踏まえた問題を作ると、例えばこうなる。

 

問題「本名は佐々木直人である、パジャマ姿のフリップ芸で2019年R-1グランプリを制し、コンビとしては相方せいやとともに2018年に史上最年少でM-1グランプリを制した芸人は誰?」

 

情報は5つである。

・本名は佐々木直

R-1ぐらんぷり優勝

M-1グランプリ優勝

せいやの相方

・芸人

 

知識のバラつきによって、解答者がボタンを押すことが出来るタイミングは異なりながら、最後には誰もが知る情報を出して正解へと誘導する問題。手前味噌であるが、こういうものが「面白いクイズ」なのだと考える。

 

 

「面白い」「カルト」「クイズ」とは

 

そんな「クイズ」を前提に、さらに「カルト」でなければならないのが「カルトクイズ」なのである。言い換えれば「解答者が正解できるということを前提にしながら、誰もが知らない知識を答えさせる」ということである。この重箱の隅をつつくような感覚、非常に難しい。

 

もちろん解答者は前提としてかなり絞られている。100人いたら95人は答えられなくて構わないくらいである。しかし、やはり「クイズ」でなくてはならない。誰かが正解できる絶妙なラインを考えなければならないのだ。そんななか、さらに「面白さ」を求めるのはなかなかに大変だと思う。

 

ではどういった問題が「面白いカルトクイズ」なのか。それについて書くと多分とても長くなってしまうな。

 

うーん。

 

とりあえずツイートを貼って解決としますねー。

 

 

とにかく「#エビ中クイズ」が楽しみである。