眠れない物語のペイジ

私立恵比寿中学の諸々を徒然なるままにつづるブログ

アンジャッシュのコントをエビ中で作ってみた。

同窓会会場の休憩スペースにて。

 

児嶋、電話中。

 

児「うん。うん。え?風邪引いた?まじで!?じゃあお前日曜の大学芸会行けないの!?なんだよ~。せっかく連番当たったのに俺一人かよ」

 

渡部登場。ソファに座る。会話が聞こえてくる。

 

児「うん。いやだって俺初めての学芸会だろ?お前いないとちゃんと応援できるか不安だよ。え?うん。うん。わかった。じゃあ、お大事にな。おう」

 

電話を切る。児嶋、ソファへ。

 

渡「…おう」

 

児「おう」

 

渡「学芸会、行くんだ?」

 

児「え…?」

 

渡「あぁいやごめん、ちょっと聞こえちゃって。そっかー。あの児嶋も今じゃ立派にファミリーとかやってんだな 」

 

児「え…?え、今なんて言った?」

 

渡「ん?だから『お前もファミリーになったんだな』って」

 

児「…知ってるの!?」

 

渡「は?」

 

児「ひょっとして、渡部もファミリーだったりする…!?」

 

渡「まぁ、うん」

 

児「まじで!!!!!」

 

渡「なんだよ急に」

 

児「いやだってこういう話できる人なんて滅多にいなかったからさ!」

 

渡「別に珍しいことじゃないだろ。まぁ、でもうちの子の場合はもうとっくに卒業しちゃってるから最近はめっきりだね。学芸会とか響きが懐かしいわ」

 

児「あっそう。なんだよ~。もっと早く言えよ!」

 

渡「で、なに?いつあるの?学芸会」

 

児「あー今度の日曜。あっそうだ、俺こういうの初めてだからさ、ちょっと色々教えてくれないかな」

 

渡「あぁ、いいけど」

 

児「助かるわ」

 

渡「じゃあまず持ち物からだな」

 

児「持ち物ね。まぁとりあえず、サイリウム1本あればいいかなとは思ってる」

 

渡「サイリウム!?お前学芸会でサイリウムなんか振んの!?」

 

児「ダメなの?」

 

渡「ダメだろ!絶対迷惑だって!!」

 

児「えー?じゃあ何持ってけばいいんだよ」

 

渡「普通はビデオカメラだな」

 

児「は?カメラ!?撮影すんの!?」

 

渡「するよ。俺の時なんかさ、手振ったらこっちに気づいてくれて、歌ってる姿ばっちり収めたよ」

 

児「すごいな!それでよく出禁になんなかったな!」

 

渡「そんなのみーんなやってたよ」

 

児「まじかよ…。あぁあとさ、コールとかってやっぱり覚えていった方がいいかな?」

 

渡「コール?」

 

児「あぁほら、全員の自己紹介とかあるだろ?そん時に」

 

渡「全員自己紹介するの!?」

 

児「そりゃするだろ」

 

渡「何時間もかかって大変だろ」

 

児「かかんねぇよ6人だもん」

 

渡「そんな少ないの!?よくやってけるな」

 

児「いや昔からあんまり変わってないだろ」

 

渡「まぁでも、正直羨ましいわ」

 

児「え?」

 

渡「ほらなんていうかさ、ぶっちゃっけ今が一番可愛いときだろ?」

 

児「まぁそうね~。ついついお金沢山使っちゃうよね」

 

渡「わかるわ。色々買っちゃうよな」

 

児「女の子とツーショット撮るのに10000円って普通絶対高いもんな」

 

渡「は!?はぁ!?」

 

児「いや、必要経費だよ?必要経費。一緒に写れるなら実質タダみたいなもんだろ?」

 

渡「普通タダだろ!」

 

児「はぁ??タダで写真撮れんの?」

 

渡「当たり前だろ!なんでわざわざ金払うんだよ!俺なんかしょっちゅうバシャバシャ撮ってたよ」

 

児「まじかよ!お前すごいな!」

 

渡「お前の方が特殊だからな?」

 

児「で、そっちは何に使ってたの?」

 

渡「うち?まぁ、おもちゃ買ったり、服買ったり、あと遊園地連れて行ったりはしたかな」

 

児「遊園地!?一緒に遊園地行ったの!?」

 

渡「行ったよ」

 

児「なんだその夢みたいな話!!」

 

渡「行かないの?」

 

児「行かないよ!行けるわけないだろ!」

 

渡「嫌われすぎなんだよお前。うちなんか一緒にお風呂入ったりもしてたぞ」

 

児「お風呂!?それはもう犯罪だろ!!」

 

渡「むこうが「一緒に入りたい」って言ってきたんだからいいだろ?それに最近は思春期だから入ってないし」

 

児「当たり前だろ!そういう問題じゃねぇよ!」

 

 

スマホが鳴る。 

 

 

渡「ん?」

 

児「あっごめん、ちょっと」

 

渡「おう」

 

児「はいもしもし。ん?写真?お前の分も?あぁ、買っとくよ。わかった。あい。じゃあな。」

 

渡「なに?」

 

児「あぁいや実はさ、学芸会一緒に行く予定だった連れが風邪引いちゃって」

 

渡「あぁ、そりゃ大変だな」

 

児「で、物販で写真だけでも買ってきてくれって」

 

渡「物販!?物販なんかあんの!?」

 

児「そりゃあるだろ」

 

渡「へぇ~変わった学校だな」

 

児「でも今回の写真は人気高そうだからなぁ。校長もTwitterで結構誉めてたし」

 

渡「は!?校長先生Twitterなんかやってんの!?」

 

児「あぁそうそう。最近始めたんだよ」

 

渡「お前んとこ随分フランクな校風なんだなぁ…。私立だっけ?」

 

児「当たり前だろ。あっ、そうだ!!なぁ、お前今度の日曜日空いてない?学芸会一緒に来てくれないかな!」

 

渡「はぁ!?」

 

児「ほら、その方が俺も心強いし!同じファミリー同士さ!」

 

渡「なんでわざわざ知らない子の学芸会見に行かなきゃいけないんだよ!」

 

児「知らないなんて言うなよ!昔は行ってたんだろ?」

 

渡「だからって人の子見に行かないだろ!」

 

児「わかった!じゃあ特別!今回はチケット代半額でいいから!」

 

渡「はぁ!?チケット!?学芸会見に行くのに金払うのかよ!!」

 

児「払うに決まってんじゃねぇかよ!生で会える機会なんて滅多にないだろ!」

 

渡「どんな家庭環境だよ、なぁ。普通に毎日会えるだろ」

 

児「アイドルのライブに家庭環境関係ないだろ」

 

渡「は?アイドルのライブ?なにそれ。えっお前の娘さんの学芸会に行くって話じゃないの?」

 

児「はぁ!?ちげぇよ!学芸会ってのは私立恵比寿中学ってアイドルのライブの名前だよ!」

 

渡「なんだ、先に言えよ。俺ずっとお前の子供の話かと思ってたわ」

 

児「何言ってんだよ。俺まだ結婚もしてないし、子供なんていねぇよ」

 

渡「なんだよ~変な勘違いさせるなよな」

 

児「勝手に勘違いしたのはそっちだろ!…で?」

 

渡「は?」

 

児「ライブは行ってくれるのかよ」

 

渡「いや尚更行くわけないだろ」