勝手に神ちゅーんずエピソード0
○5月 学校行事で山中湖に来ている
誰もいない山中湖交流プラザきららにて 熱心にカメラを構える十倉 そこに大宮
十倉「画角!決まれ画角!もっと左?右?うーんどっちだ…?」
大宮「あれ…十倉さん?」
十倉「画k…ん?」
大宮「十倉さん…だよね?」
十倉「あっ、えっと…」
大宮「大宮です。同じクラスの」
十倉「そうだ!大宮さんだ!ちょーど良かった!ねぇごめん、ちょっとあそこに立ってもらっていい?」
大宮「えっ、なに?立つの?」
十倉「そう!」
大宮「ここ?」
十倉「あーもっと右かな…もうちょっと右!!」
大宮「ねぇ、これ何やってるの?」
十倉「写真撮ってるの!」
大宮「じゃなくて、何の写真?」
十倉「ふふん (スマホを取り出し、画像を見せる)これ!!」
大宮「これは、フェスかなにか?」
十倉「SWEET!!LOVE!!SHOWER!!」
大宮「スウィート…?」
十倉「知らないの?スペースシャワーTVが主宰してる毎年8月にここで行われるフェスで、ゲスの極み乙女。とか!サカナクションとか!クリープハイプとか!あいみょんとか!あと米津k…」
大宮「あっうんあの、十分伝わったからもう大丈夫」
十倉「あっそう?」
大宮「でも人もいないし、ここただの原っぱだけど…」
十倉「今私の脳内ではラブシャが行われてる真っ最中なんだよ!」
大宮「へ?」
十倉「想像するの!揺れる観客!煽るアーティスト!!ほら!ベストショットをおさめないと!!」
大宮「ん?」
十倉「だから!脳内で…」
大宮「あっうんわかったおっけー大丈夫…。あっ、他の班の人達は?」
十倉「班?あぁ…知らない。たぶんどっかにいる。」
大宮「え、いいの?先生班で固まって行動しろって言ってたけど…」
十倉「「基本は」って言ってたでしょ?これは例外なの!ラブシャの聖地巡礼なんてこの機会逃したら滅多にできないよ~!それに、私あんまりみんなと仲良くないし、LINEで連絡もとれるから。」
大宮「なんか、十倉さんってすごいね…」
十倉「そう?」
大宮「うん」
十倉「大宮さんは?一人なの?」
大宮「うん。なんか、あんまり楽しくなくて…」
十倉「そうなんだ。あっもうちょい左」
大宮「まだクラス替えしたばっかだし、いきなり校外学習なんて言われても一人も友達いなくてさ…班の子達は私以外仲良しグループだし、お腹痛いって言って逃げてきちゃった」
十倉「へー」
大宮「あっごめんねなんかこんな話…」
十倉「じゃあさ、今日1日私のアシスタントやってよ!」
大宮「え?」
十倉「どうせ一人なんでしょ?なら、私と一緒に行動しよ!」
大宮「あぁ…」
十倉「(鞄から分厚い冊子を取り出して)この後も色々あって大変なんだよ~SCANDALのMV聖地巡礼とか、それからえっと…」
大宮「それはなに?」
十倉「えっこれ?これは校外学習のしおり十倉凜スペシャルバージョン!!だけど」
大宮「…」
十倉「あっ嫌なら全然いいよ。ギリ一人でも回れるから!」
大宮「十倉さんってさ…気にしたりしないの?」
十倉「えっなにを?」
大宮「その…他の人に嫌われないか、とか」
十倉「そんなの笑 気にしてたら時間もったいないよ!それにほら、私って元からいるかいないかわかんないような感じだから、どんな行動してようが一緒だと思うし!」
大宮「強いんだね…」
十倉「たぶんバカなだけだと思う」
大宮「…」
十倉「…」
大宮「…わかった」
十倉「お?」
大宮「今日1日付き合うよ」
十倉「ほんとに!!ありがとう!!」
大宮「それと…」
十倉「なに?」
大宮「友達に…なってもいい?」
十倉「へ?」
大宮「あっ嫌だったら全然いいんだけど」
十倉「なにそれ。全然いいよ!大歓迎!」
大宮「ほんと…?」
十倉「うん!ってか許可いる…?笑気にしすぎだって」
大宮「だって…」
十倉「よしっ!そうと決まれば急ぐよ!!あーもうちょい左!!そこ!!一旦そこ!!」
大宮「ここ?」
十倉「あーもうちょい右?」
大宮「ここ?」
十倉「そこ!!よしっ!撮るよ!!」
大宮「うん!」